2008年10月24日

読了しちゃったのねん/2008年10月編

最近になって、久しぶりにまともな「読書」というものをするようになりました。
なぜかよく分かりませんが、ここ10年くらい小説が読めなかったんです。
文章を読むじゃないですか。
目で字面を追う速度がだんだん速くなっていって、それに付いていこうと脳が一生懸命になるのですが結局追いつけなくて、内容が全然入ってこないという状況になっちゃうんですねー。
とにかく気が散ってしまってどうしようもない。
それでしんどくなってしまって、当たり障りのない雑誌を買うだけに。
あとは気軽に読めるエッセイを読んだりしていました。
やっとじっくり腰を据えて本の世界に入れるようになったので、これから簡単な感想でも残していけたらなと思っています。

というわけで、最近読んだ本の感想を。
なるべく核心に迫るような内容は書かないように気をつけますが、うっすらとネタバレすると思うのでこの先は追記に書きます。
内容を知りたくない方はくれぐれも気をつけてください。

※当初記事タイトルを「とりあえずレビュー・読書編」としていましたが、「読了しちゃったのねん」に変更しました。

【今回読んだ作品】
乾くるみ『イニシエーション・ラブ』『リピート』
若井七海『クール・キャンデー』








まずは、当ブログではすっかりおなじみのquiche(キッシュ)のミナさんが9月のライブのMCでおすすめしていたので読んでみた作品。
456203761Xイニシエーション・ラブ (ミステリー・リーグ)
乾 くるみ
原書房 2004-03

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最後まで読んだらうわああぁああぁあああな衝撃が。
とは言いつつ、読み終わった直後は何が何だか「?」となってしまい、結局ネタバレサイトを見ました。
この物語の重要なトリックはラストで解ったんですけどね。
でもその“種明かし”が単に点となっていて、点が線に結びつかない状態だったんです。
改めて小説が一本の線になった時。
怖い、怖すぎますよ
この衝撃を素直に味わえるという点で、途中でトリックに気づかずに騙されてよかったんじゃないかと思います。

文体の軽さやどこか軽薄な内容から、「イマドキの生ぬるい恋愛小説」かと思わせるところも作者が意図してやっているだろうことがうかがえます。
この辺もイライラするくらいよくできてます。

SideAを読んだ後にSideBを読んだ時の違和感。
読後の何とも言えない後味の悪さ。
インパクト大の一冊です。
私は後味の悪さがあまりにも尾を引いてしまったので、二回目はしっかりと全編を読むことができませんでした。
その代わり「ああ、ここが…」と思える場面を飛ばし飛ばしで読みました。
二度目に全編を読むと「!」な衝撃がたくさんあったりするんですけどね。

あと、個人的に静岡県出身である分だけ、舞台となっている静岡(市内)のローカルな地名や店名だったり登場人物の名字だったり、そういった部分で楽しめたのはお得でした。
実際の場所を頭の中で思い浮かべることができますから。
でもジョ○ダンは知らなかったです。
(物語の設定が80年代なので、その頃の店や建物は今ほどわからないのです。)
ちなみに小説に出てくる谷○屋(呉服町)にはハードカバーがしっかり平積み+コメント付きで売られてましたよ。

文庫も出ています。
ネタバレサイトにもありましたが、表紙はハードカバーのままでよかったような…。
4167732017イニシエーション・ラブ (文春文庫)
乾 くるみ
文藝春秋 2007-04-10

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 お気に入り度:★★★★☆ [10点満点 ★…2点、☆…1点]
 ラストの衝撃度は間違いなく★★★★★



4163233504リピート
乾 くるみ
文藝春秋 2004-10-23

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4167732025リピート (文春文庫)
乾 くるみ
文藝春秋 2007-11

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『イニシエーション・ラブ』に続いて読んでみました。

個人的にミステリーとしての衝撃は『イニシエーション・ラブ』の方が大きかったです。
というのも、あらかじめ文庫版の宣伝文句を知ってしまったので、結末がどうなるかが先に想像ついちゃったのが原因なんですが…。
(うっかりネットで知ってしまったんです。読んだのはハードカバー。)
でもこちらはいわゆる「タイムトラベル」ものとして楽しめました。

過去にさかのぼれる時間ややり直しができる期間が限定されたタイムトラベル「リピート」。
リピーターは自分の意志で、人生を何度もやり直すこと(つまり歳をとらない)もそのまま一生を送るのも可能。
そんな設定の世界で次々に起こるリピーターの死。
登場人物が死から逃れられるか、そして再び人生をやり直せるのか。
そこに至るまでのサバイバル的要素がとても面白かったです。
この小説を読んで“カオス理論”に強い興味を抱きました。

それから、乾作品ではおなじみという登場人物・天童の描かれ方がよかった。
既に読んだ2作品以外も気になるので、他の乾作品も読んでみようと思います。

 お気に入り度:★★★★ [10点満点 ★…2点、☆…1点]
 ストーリー自体はイニシエよりこっちの方が好きかな。



4396328133クール・キャンデー (祥伝社文庫)
若竹 七海
祥伝社 2000-10

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いつも拝見している本のレビューブログ『ナナメモ』を見て興味を持ち、読んでみました。

これも一言で書くと「油断してると痛い目に遭うよ」な小説。

主人公の渚がちょっと小生意気だったりするけれど、基本的には甘酸っぱさもある中学生らしい生活がどこか微笑ましかったりします。
が、何たるラスト。
まさにタイトル通り。ぞっと背筋が凍り付くような感覚になりました。
でも、渚の描写が割とあっけらかんとしていて明るいので、それに救われる感じでしょうか。

短時間でサクサク読めるので、ちょっとした時間つぶしにもおすすめします。

 お気に入り度:★★★ [10点満点 ★…2点、☆…1点]
posted by みたらしだんご at 12:47 | Comment(0) | TrackBack(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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